500倍

今日もお越しいただきありがとうございます。今日は珍しく子供のことです。

このところ、反抗期が抜けてきたのか、子供がえらく私になついてきます。おっとりしたところ、もとい、とろいところが共通しています(汗)

そしてどこまでもどんくさい。自信がないのもそっくり。

かなりの進学校に通っているんですが、そのせいか、成績はなかなか振るいません。賢い子がうじゃうじゃ。なので自分が賢いと思ってないです。というか賢いかどうかも謎です(笑)平均点とれただけで大喜びして、家族で「がんばった」と拍手喝采です(笑)成績悪くても小学校のころから叱ったこともないのもかえってよくなかったか?

そんな子供が英語を私に習いたがったりします。歩いている時もちょっと前まで全然だったのに、腕を絡めてくっついてきます。

そして歩きながらよく話します。この間こんなこと言われました。

「自分のお母さんがママでよかった、いろんなお母さんの話を聞いていて自分の親はなんて寛大なんだと思ってんねん。将来についても好きな道を選ばせてくれる。まわりは親の言う進路に進まないとといけない子もいて大変そう。無理強いもあるみたい。それを考えると500倍いいわ」と言ってくれます。500倍とは知らんかった。いや心の中でも『もっと勉強せんかいな。私の生徒の方が100倍するぞ』とかは思ってますぜー。それといいように取ってくれて嬉しいんですが、私のズボラさも大いにあると思っています。携帯電話だけは怒るけど、あとは自分が寝るのと仕事の準備でいそがしくてほっとらかしというのが実際のところです(笑)

まあ、うちは代々続いた老舗の名門店でも会社でもないし、医者でも弁護士でもないし、教師の仕事をしてほしいとは私たち夫婦も微塵も思っていないので(笑)好きにさせています。例えばおうちが個人病院とかだと、やっぱり医者というのが相場のよう。それはそれで親御さんも大変そうです。

干渉しないと、かえってあちらから干渉してほしそうなほど。でも、自分は母が働いていて、ほとんどなんでも自分で決めてやらないといけない環境で育ったので、自分も子供をコントロールしようと思ってないところがるのかも。かえってなんでも聞かれて「自分で決めたらどない?」と言うのが口癖になっています。そんなのは小学生までだと自分では思っています。中学生のころはよく「冷たい」「あっさりしすぎ」と言われました。

昔子供がお受験したのもあって、教育ブログを書いていました。どんくさい私は、すべてデータを間違って消してしまって今は私の頭の中だけにしか存在しません。

そのときに大学生か大学院生にコメントで絡まれたことがあります。ストレートさが伝わってきて、自分が親に干渉されずに自分で勉強してきて、おそらくいい大学に入ってそれを誇りに持っている学生さん。自信満々でした。すごく挑戦的、挑発的に書いてきてこちらを怒らせようとしていました。(コメントで挑発にのらないですねえみたいなこと書いてました。あはは)子供の英語早期教育か何かについての論文でも書いていたのだと思います。きっとこの先もそのストレートさを貫いて議論をしたがる日々を(ちょっと感情的だとも思いましたがねえ)送っているのでしょうか。それを社会人になった今でも是非貫いてほしいなと思っています。そして今の教育を変える一人になってくれないかなあ。当時ブログに思い切り反論されました。なんと恐ろしい親だと言われました。ご自身が親になった時に是非思い出してほしいです。

今も時々思い出して、そして、思います。私が恐ろしい親だったら、他の教育熱心と言われている親御さんはどうなるのだろう?

昨日病院の待合室で暇つぶしにめずらしく雑誌を手に取ってパラパラめくってみました。カリスマ主婦ファッションが中心の雑誌ですが「子供をインターに入れるということ」というような特集が。

英語育児をやっている親なら、一瞬頭によぎるこの誘惑、我が家はインターにどっぷりつかってはいませんでしたが、一部利用していた口です。結局お受験にシフトしたのですが、バイリンガル教育について当時いろんな書物を読み漁って結論はNOとなりました。お金ももたないのもありますが(笑)バイリンガル教育よりも母国語重視に。英語だけできても、他の勉強ができなければ意味がないと当時判断しました。

インターナショナルスクールに通うのなら、大学は海外じゃないとあまり意味がない。日本の大学を素通りしていくのが普通。そこまで考えてやめました。今は、日本の高校から海外の大学に直接行く生徒も増えているので、どうなんでしょうか?

インターに通わせる親の気持ちは人によっては親のコンプレックスの裏返しでもあると思います。自分がもっと英語ができたらよかったのに。だから子供だけはという気持ち。私もそうでした。

読んでいて何か得体のしれないものを感じました。こんなファッションとしてあつかっていいのだろうか。他のことも含めて雑誌がママの精神構造まで支配している印象をうけました。

教育の現場に立っていると精神的に疲れている子を見かけることが増えています。真面目な子ほどつぶれそうになってます。睡眠を奪うほどの宿題。テストの連続。SNSの発達した友達関係を維持する難しさも加わって、カウンセリングが必要な子供が増えています。親にも必要。そのconsequenceがハロウィーンのお祭り騒ぎにもしかして繋がっているのかもしれないと思うのは私だけではないと思います。

そういう結果を導かないように、なにもかももっとおおらかにできないのかなあと、それこそ誰かに罵倒されそうなことを考えてしまう私です。そんなんだからこの競争社会のはみ出し者なんだよと言われそうですねえ。

はみだしっこって悪いことでもないと思いますがね。

見えない圧力ほど怖いものはないですが、見えないので見ない勇気ももっていいかも。日本はなんでも束になってやらないと仲間外れみたいな感じがどうもします。まあ大人でも決めれない人がごろごろいる日本ですからね。

一人でいいじゃん。

自分で決めればいいじゃん。自分の人生なんだから。

うちは堂々と「英語子育て挫折組」と親子で思っています。クラスメイトには英語も早期からやって、他のこともとびぬけてできるようなお子さんもいて、英検1級や準一級を持っているクラスメイトがすでにけっこういるそうです。すっご!子供が「なんでもっとやっとかなかったんだろう」言うので、「ママが無理強いをしなかったから」と言うと納得していました。「やる気になった時に、自分からやろうとすることが大事だよ」と言うと、「英語教えてほしい」とまた言われました。全然時間取れてないけど(汗)

英語ペラペラキッズにはならなかったけど、うちはこれで満足です。イギリス滞在も本人なりにエンジョイしてくれて、イギリス好きっ子になってるし、英検も自分から受けたいと言ってきました(そのわりに勉強はしませんが(汗)一度落ちてやる気になればいいと思っています。さすがに準1級はいつものにわかでは無理でしょう(笑))

子供の教育はどんな親でも心を砕くものだと思います。その方法は十人十色、日本では情報が溢れて?いるし、英語学習と同じで「なんとかしてわが子をできる子に育てるベストな方法はないか?」となってると思います。

私はそれが高じて子供がかよっていた幼児教室の先生にまでなった時期があります。一生懸命毎日カードフラッシュしたり、ドリル解いたりしてましたが、それが子供の知能を左右したのかどうかは今ではよくわかりません。効果があったかのかもしれないし、なかったのかも。まあ親は必死ですしね。

二人の頭に残っているよかったことは本の読み聞かせです。膝の上にのせて本を読む時間がとにかく長かった。今は膝の上は愛犬が占領していますが(笑)

ホントに英語学習と同じで、どんな道でも通じているんだと私は思います。答えがない。だから私がインターの記事に反論する権利もない。他のアジアの国ではもっと教育格差があって、勉強量も日本と比べ物にならないほどですしね。日本もそれを目指してるのかなあ。

大事なのは、子供が自立のサインを出しているときに気づき、やる気を育ててあげることではないかと、失敗だらけの子育てと、失敗だらけの教員生活から学んでいる最中の私です。

たとえ子供が出した結果が自分の思うものでなくても、その結果、consequenceですね。覚えました?

それをありのまま受け止めることができるようになることなんじゃないかなって思うようになっています。いろいろケースはありますが、バイリンガル教育しようとしてセミリンガルになっても、東大にいれようと思って私立にいくことになっても。

子供はこのごろ一人で古い街並みをうろうろすることを覚えました。一人で博物館に行ったりしています。うろうろしている最中に電話してきて「ちょっと一人でさみしくなったから電話してみた」と電話がありました。

一人の寂しさも経験して、他人を大事にできるようになってくれればと思いながら見守るのみです。

今はこの子が私の母の生きる気力の一つになってくれています。「ばあば、大丈夫?」と優しい言葉を普段からかけてあげてれるようになってうれしい。唯一成人していない孫がかわいくて心配でならないそうです。「あの子はやさしい」とよく口にして母は少しでも長生きして見守りたいと言ってくれています。

やさしい言葉のたびにおばあちゃんの寿命が一日ずつ伸びてるんだよ。

どんな未来をえらんでも、どんくさくても、失敗沢山しても、

一番大事なことをわかっていればいい。

自信は全然ないけど(笑)、これからも500倍といってもらえるような親でありたいです。

 

読んでいただきありがとうございました。

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