
Defending Jacob [Kindle版]
Defending Jacob [ペーパーバック]
Author:William Landay
When:June 25th ~ July 24th 2013
Category:Fiction (Legal fiction)
Pages: 432pages
Total recommends:★★★★☆
Difficulty:★★★★☆
Story:★★★★★
Can't-sleep-degree:★★★★☆
Romance-packed-degree:☆☆☆☆☆
Adventure-packed -degree:☆☆☆☆☆
Mystery-packed-degree:★★★★☆
英語読書累計 12098 pages
どこまでも、どこまでもグレーなお話。
ミステリーは読書日記を書くのが難しいです。理由は簡単。ネタバレしたら読んでない人に悪いですからね。
ボストンの静かな住宅街。ある日公園で14歳の少年が胸を3か所ナイフで刺されて公園で死体で発見された。凶器のナイフは発見されず、少年のパーカーから同級生の指紋が発見された。その指紋はその町でDA(地方検事)を務める息子Jacobのものだった。息子の無実を晴らすために父は・・・。
書評の多さとタイトルに引かれて読んでみました。これ、法廷ものなので、いったん読みだすとすごく読み進みます。
殺人事件に巻き込まれたある一家がたどる道筋を先が読めない展開で進むミステリーです。最初は父親が息子を救うために持てる知恵を出し尽くして弁護するお話だと思って読み始めました。ある意味その通りのお話でもあるんですが、ひねりがあります。そこが面白さでもあるし、なんだか底に落とされる気持ちにもなりました。
家族それぞれの心理の変化も絶妙。14歳のかなりバルナバルな少年心理もすごくリアルです。とってつけた感がなく、「現実にはこうなんじゃないか」と思わせるような人間の心理が描かれています。
私は普段、高校生や中学生と接しているし、自分も母親の立場なので、この話はものすごく怖かったです。今のコミュニケーション不全な時代を見事に描いた作品ともいえるかも。日本でもいじめはなくならないけど、どこの世界でもいじめは存在していて、それに対処しきれない事態が現実にあるんだと思い知らされます。
これは「犯人はだれ?」というよりももっと現実に近くて、「もしかしてこう?」と思う不安な気持ちを持つお話でした。どこまでもどこまでもグレーです。白黒はっきりしない。
これ読んで思い出す話はどれかなと考えてみました。ふと頭に浮かんだのはこれ。

Gone Girl [Kindle版]
なんともいえない不気味さはもちろんこちらの方がはるかに上です。面白いけど、「いやあ、むっちゃ面白いから是非読んでみて!」と言えない感じのひねり具合です。どちらの作品も「うまい。でもびっくりするで、これ」というラストです。ミステリーたるゆえんですがね。
難易度はすごく悩んだんですが、会話部分は難しくないです。会話文も多い。その部分は★3つです。ネイティブスピーカーが読めばフツ―の文なんだろうなと思います。
でも法廷用語や日常のアメリカで使われているであろう語彙、でも私たちノンネイティブスピーカーからしたらなじみのないものも多く感じたので★4つにしました。辞書を結構引いた印象で決めました。
ミステリーに関しては私は犯人をけっこう当ててしまうのと、ここの所苦手になりつつあるので、(と言いながら結構読んでますね(笑))おすすめ度が辛めです。主観が入って当たり前なので、その辺を差し引いてくださいね。この作品は上のGone Girlと同じく全般的にすごく評価が高い作品であることは間違いないです。
やっぱり人が殺されたりすることに抵抗があるのかも知れません。まあそうでないと話が始まらないですがね(笑)ミステリーですから。子供が探偵コナンを見るのもあんあまり好きじゃないけど、大昔は自分もそういうのが好きだったから、年いった証拠ですね。心が殺伐となっちゃう。
ということで、次は夏休みなので、こんどこそかねてから読もうと思っていた超大作?に行こうかと思ったんですが、心あらわれたくなったので、間に違うのはさもうかと思っています。いやちょっとhotなバンパイアものでも読もうかなあ(笑)→なんでも読むミーハーなおばちゃん。
読んでいただきありがとうございました。