「国際的日本人が生まれる教室」を読んでみました。

国際的日本人が生まれる教室
国際的日本人が生まれる教室 [単行本(ソフトカバー)]
この本は公立高校の教員である夫が買ってきて読んでいた話題の方の本。夫は直接影響を受ける身ですからね。以前にもこのブログにコメントをいただいた方から中原氏の提言のサイトを教えていただいて読んだりもしていたので、興味があって手にとってみました。今日は子供が朝5時過ぎにたまたま起きて勉強を始めたので、一緒に起きてこれ読みました。ちょっと眠い・・・。

アメリカのロースクールを卒業し、現地で弁護士として活躍されていた氏がなぜ地方都市の中堅校の最年少校長に赴任したのか、今後の日本の英語教育はどしていくべきかなどの提案が熱意をもって書かれれていました。

一言で言うと「共感と反感」の入り混じった気持ちになりました。

現場で頑張っている夫や自分の立場からはすべてにもろ手を挙げて賛同したとは言えないですが、中原氏の行動力はすごいと素直に感動もしました。

私も非常勤とはいえ、中学高校の現場で英語を教える身。その現場も英語に関してプレゼンやディベートといったトレンドのことをする現場と、いわゆる「大学受験」に向かってオーソドックスなスタイルをとる現場も経験し、そして子供が0歳のころから英語子育てを始めた母の立場も持っていて、国内で自分の英語力を必死で上げようとがんばる一兼業ママです。もちろん、自分の意見がすべてとは思ってもいませんが、(アメリカ人ならこうは言わないですね(笑))読んでむくむく湧いてきた言葉をちょっとつらねたいと思います。

前半部分で、中国や韓国の高校生の英語と日本の英語を比べるとその差はもう詰められないのではないかと思われるほどのギャップがあることを中原氏も指摘されています。それは大いに共感します。

でもそれを高校の3年間だけでどうこうできる問題でもないなあというのが現場の印象です。

今現在では、中学で培った土台が少ない上にいきなり国際人になるような英語力を高校生につけるのは至難の業でもあります。

私はディベートの授業をアメリカ人の先生と一緒に持ったことがあるのですが、それをやろうとすると、もちろん他の英語の取り組みにしわ寄せがきました。生徒たちの文法の授業がおそろかになったり、本来読めるべきリーディングについていけなくなったり。はては他の教科の課題もできない時もありました。

そしてもともとの英語力がない上にトタンで家を急ごしらえするかのような作業でした。中にはすごい光る生徒もいます。圧倒的なディベート力で相手を負かしていく。外国人のジャッジの人も圧倒されていました。

でもそういう生徒はかなりの割合で親がかかわっています。英語を幼少からやっていたりね。

しかもその上に大学進学を視野にいれて勉強させなければならない。なかなかの無理難題だなあというのが感想です。

そんな最新の英語教育に熱心な職場から180度転換したような「大学進学実績が至上命令」みたいな雰囲気も持つ学校に赴任すると(ふつうはそれが大多数)、国際化よりも大学入ることの方が大事。いかに効率よく問題集をこなし、テストの点をあげていくかに焦点が当てられます。その生徒たちに「ディベートするで」と言っても到底無理。私が時々英語でちょっと話をしたら、みなきょとんとしています。「先生何言うてるかわかれへん」でもディベートをやる子供たちよりもいい大学に入ることも多いという現状です。どちらが得かは現状では何とも言えません。

今後は民間校長も終わられたし、高校の現場だけを変えるという視点ではなく、大学受験や、小中高大の英語教育の連携までも視野に入れて、かつ指導者の育成に力を入れてほしいと願っています。そのために公立高校の民間校長という立場ではなく教育長になられたのですよね?どこでもいい先生は体も心もすり減らしながらがんばっています。

それから、日本の先生は欧米ではあまりない「クラブ」の指導で休みはありません。インターハイや県の試合もすべて運営は先生たちがほぼボランティアでやっています。そんな中、教材研究ばかりに時間を費やせない英語の先生は「英語で授業しろ」と言われているのが現状です。中原氏が教育長を務める大阪府は教員(他も)の給料が全国で最低レベルです。それでも日々奮闘している先生は存在します。うちの夫もその一人だと思っています。教材研究や授業準備に費やせる時間はほんの1割ぐらいで、毎日仕事に追われています。(休みに子供とゆっくりできないので子供はかわいそう!)

先生の地位は日本では低い。教育立国ではもっと高いですよね。

ちょっと思ったのですが、中原氏は普通の日本での教育を受け、日本の中でもレベルの高い大学を卒業し、司法試験にも受かられている方です。その方がアメリカのロースクールに行って英語でもご苦労されて割と短期間で英語のレベルをあげられているように本ではお見受けしました。その基礎となっているものに、早稲田に入れるような受験レベルの高い英語の基礎力はまったく無駄だったのでしょうか?

そう、実は受験英語は基礎です。大学受験の英語力では全く足りないぐらいの英語力が実際は必要。だから日本人が英語をもっと早い段階で4技能を完成させようと思ったら、高校までの時間数では足りないのではないかと言うのが私の実感です。日本以外のアジア諸国の英語が伸びたのは、国を挙げて取り組んだのと、やっぱり勉強量が半端じゃないからじゃないでしょうか。上記の国の高校生はもっと過酷に勉強しているような気がします。大学になったらもっとお話しならないかも(笑)

それから「英語よりも日本語に力を入れるというのは言い訳」みたいなことも書かれていました。これも日本の中学入試の現状をもっと知っていただきたいなというのが中学受験をさせる母の思いです。

うちの娘は中学入試のために塾に通って、その勉強に時間を費やすために、それまで培っていた英語をいったん休んでいる状態です。そのあたりは「なんちゃって教育ブログ」で書きました。彼女の英語は今どんどん抜け落ちている状態ですが(笑)帰国子女レベルになれなくても、それでも近い将来また英語をやり直す時に、その潜在能力が役に立つと思っています。それまでに母国語で蓄積した知識が大きな武器となって加勢してくれるとも思っています。

これはバイリンガル教育では得られないものの一つ。例えばインターナショナルスクールから灘校にはそうは簡単に行けないですよね。

「日本語での」勉強が将来の大きな投資にもなると思っています。日本のトップクラスの子がその日本語での教育で培った知識は決して世界に羽ばたくのに邪魔をするものどころか、強い武器になると思っています。その子供たちが将来英語圏に出たときに、中原氏のようにアメリカなどの大学(大学院)教育を受ければ一層強固なものになるのではないでしょうか。

万能とは思っていないけど、小学校でフォニックスを導入する等の試みはどんどん広がって行ってほしいです。ローマ字の問題も解決しながらね。中学生を教えて実感しているのは、「あまりにしょぼすぎる」です。私は子供をインターナショナルの土曜学校などにも通わせていたので、個人の親の負担が大きいところでもありました。でも公教育でとれる時間あるのかなあ。

後半は大阪の中堅校である高校での氏の奮闘が描かれていて、たいへん読み進みました。修学旅行のくだりの実行力はとても感動します。中堅校で生徒の英語の実力をそれだけ伸ばせたのなら、是非それを上層校、ずばり大阪のトップ校でやれば、すごいことになるだろうなあと思いました。例えば氏の友人である、同級生セレブの方の母校ですね。保守さは比べ物にならないほどもっとすごいでしょうが、そこで奮闘したら、全国に名前がとどろく高校になるかも。中堅校で英語だけ伸ばしても他の教科ができなければ大学進学実績もままならない。トップ校で試みれば、そこで東大も京大もはては世界の大学も目指せるとなったらすごいだろうなあとも思いました。

以前にも他の方のブログでTOEFL導入についてコメントを書いたことがあるんですが、やっぱりなんといっても現場で子供たちと直接やりとりする教師としては、「目の前の子供たち」を伸ばしてあげることが一番大事。一足飛びにはやっぱりできません。小学英語と中学英語のギャップに悩んでもいます(笑)ついでに高校英語、受験英語にも(笑)それから実用英語とかも。

でも、せっかく教育界に空いた風穴でもあるし、子供たちの将来を夢あるものに変えていきたいのは教育者も親もみな同じ。今後のご活躍を期待したいです。そしてもっと英語力のある先生の育成にも力を是非入れていただきたいなと思っています。それが一番大事じゃないかなと私は思っています。ここに自助努力するおばちゃんだっているんですよ~。

読み終わったらちょっとTOEFLも勉強しないといけないなという気持ちにもなりました。それがおばちゃん非常勤講師として生き残る道かも・・・。でも試験料高いっす。パートの主婦には気軽に払えないなあ。

それと、経歴からして仕方のないことですが、TOEFL導入をはじめ、どうもアメリカばかりが前面に出てるのはちょっと気になるので、その辺の「グローバル」な立場を考えていただいたらなあとも思いました。せめてイギリス英語も入れてよね(笑)オーストラリアもニュージーランドも教育熱心だぞ。ムリかなあ。まあTOEFLもIELTSも受験料高くて高嶺の花であることは同じですね。

私自身、恵まれていない環境からこれだけ時間をかけて英語をやってきて、できないなりに、要領が悪いなりに頑張り、母国語の大切さを今になって痛感して、より良い英語の授業をと努力し、我が子にも世界に目を向けてほしいと日々奮闘している一母の立場としても、英語講師としても、結構熱い思いを持って読ませていただきました。

熱い思いを持って中原氏のように教育をよりよくしていこうと大人が奮起することは、けっして無駄にはならないと読んで思いました。私は非常勤講師として微力ながら子供たちを支えて行くのみですが、それが一番大事なことだと忘れてもいけないなと思いました。

今後できるだけたくさんの子供たちが明るく幸せな未来を気づいてほしいと、英語力がもっと伸びてほしいと願ってやまない一人です。

今日はたくさん書いたなあ。どうも英文法も読書日記も一人で暴走してる感がありますが、これもそうかも。英文法はあまりに簡単で引かれたのか、あまりの細かさで引かれたのかどちらなんでしょう?

でも中原氏も「変人になることが大事」と言っていたので、我が家のモットーでもある「変さ値」を高めたいとも思います。

なんだかバタバタと忙しい一日でした。仕事かたずけます。でも眠気が・・・。

最後まで読んでいただきありがとうございました。