
The Girl Who Chased the Moon: A Novel
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Author :Sarah Addison Allen
Period:March 12th~18th
Category:Romance
Pages: 304pages
Total recommends:★★★★★
Difficulty:★★☆☆☆
Story:★★★★★
Can't-sleep-degree:★★★☆☆
Romance-packed-degree:★★★★★
Adventure-packed -degree:☆☆☆☆☆
Mystery-packed-degree:★★★☆☆
日本のファン1号を名乗りたい!大好きな作家です。おとなのためのメルヘン
読んだら幸せな気持ちいっぱいになります。
父の死後、父の残した借金を返すために短期間と決めて故郷に帰ったきて父のレストランを臨時で営むJulia。彼女の夢はもといた土地で自分のベーカリーレストランを開くことだった。毎日ケーキを焼いてある夢をかなえたかったら。そのJuliaの隣に引っ越してきた高校生のEmily。母が急死したため母の父である祖父と暮らすためにやってきたのだ。Emilyは母から祖父のことも母の故郷のことも一切聞いたことがなかった。Emilyの母と同級生だったJuliaがケーキを焼いてEmilyを歓迎する。Emilyは少しずつ彼女に対する周りの反応に気づき始める。母の過去に何か秘密があるようだった。Juliaや祖父はその秘密を語ろうとしない。そしてEmilyのまわりで不思議なことが起こり始めた。それは母の過去と何か関係があるようだった。
この非日常と日常が絶妙のバランスで溶け込んで自然に物語が進んでいくのがこの作家の一連の作品の魅力なんですが、今回もそうでした。もう最後のハッピーエンドがたまらない。胸がきゅんとなります。この方の作品読みやすいしチックリットに近いのだろうけど、私は違うと思って読んでいます。もっと柔らかい、やさしい雰囲気が作品全体を覆っているんです。というかチックリットと呼ばれるものをそれほどたくさん読んだことがないので、よくわかっていないのが現状です。分類もよくわかっていない(笑)
この柔らかさは第一作から一貫しています。登場人物たちは何かしら苦しんで生きてきたんだけど、先にはちゃんとハッピーが待っていてその苦しみはすべてそこに行くまでの過程として描かれています。しかもそれがとてもふわっとした感じで進んでいきます。実らなかった初恋にもちゃんとハッピーエンドが待っている。幾重にもそれが倍増して。本当にラブリーです。さわやかな涙がぽろっと流れます。
素敵なセリフもいっぱいです。
There's this promise of happiness out there. I know it. I even feel it sometimes. But it's like chasing the moon-just when I think I have it, it disappears into the horizon.
向こうに幸せが待ってる。それもわかってて、時折それを肌で感じるんだけど、手に入れることができると思っている月を追いかけていて、でも月は地平線の向こうに沈んでしまうようなんだ。
訳は「by ええ加減angel」 なのでご容赦を。
月を追いかけたことないですか?私の娘は車に乗っていると「ママ、近くにお月さんがいる。追いかけて!」とよく言っていました。でも近くにいるようで実はどこまで行っても届かないんですよね。これわかるなあ。作品の中でもそれぞれ一生懸命「月」=happinessを追いかけようとする登場人物たち。すれ違いながら。この人の作品のこういうのが好きです。
読んだらほんわかな気持ちになれる作品、今度はしばらくたってから全作品をオーディブルで浸りたいと思っています。それぐらい好き。
英語も読みやすくて、量も300ページぐらいなので程よい量。今のところ見当たらないので、日本のファン第一号を名乗りたいと思います(笑)最新作読んだらマジでファンレター書こうと思っています。こんなおばちゃんからじゃあうれしくないかなあ。
やっぱコワイ系より最近は心潤うお話によってしまうこのごろです。
幸せな気分になりたかったら是非。
読んでいただきありがとうございました。