Agora アレクサンドリア

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映画「アレクサンドリア」観てきました。昨日の新聞の書評で「へえ、こんな映画やってるのね。」実際には今日が封切り。この写真を見てもう観ないわけにはいかないとおもってしまうのが私です。この建造物とこの衣装。好きだなあ。

英語の映画だけど、スペインの監督。同じように以前に「アザーズ」という映画で度肝を抜かれたことがるので、これはと思い、子どもの塾を送り届けてからわざわざ車で40分の映画館まで急ぎました。やってないんですよね。近所で。おもわず勢いで行ってしまいました。今日は午後の仕事がOffだったので、つい。

映画館はチケット買うのに長蛇の列で、映画始まる時間でもチケットが買えずにあせりました。

なのに、なのに、封切当日なのにガラガラ。大作なのになあ。みなさん何観にきたんでしょうか。とりあえずギリギリセーフで間に合いました。で、あとで見てみたら、やっぱり「アザーズ」の監督さんだった。新聞の書評だけで前知識がそれ以外なしで観に行ってよかったです。予告はこちら



日本語の予告編見つけたのでそれ貼ってみました。

舞台は4世紀の地中海の大都市アレクサンドリア多神教と学問が重んじられた都市。アレクサンドリア図書館で天文学を教える聡明な哲学者であるヒュパティア(レイチェル・ワイズ)はどんな宗教を持つ弟子達にも分け隔てなく学問を教える日々だった。奴隷制が残りながらの矛盾をかかえながらもバランスを保っていた。

しかし、アレクサンドリア図書館の外の世界では、キリスト教が急速に広がり始めていた。ついに広場(agora)の神の石像へキリスト教信者が侮辱したことを皮切りに宗教の対立が始まる。

混沌の中、彼女はひたすら学問に人生をささげ、「地球が楕円軌道を描いている」事実を突き止めるのだが、その発見も許されない時代へと移行しようとしていた。

ローマ皇帝キリスト教を公認、キリスト教を国教とするこの時代。キリスト教はまだ混沌の時代でいろいろな宗派で論争が起こっていた時。アレクサンドリアでは、他宗教やキリスト教に帰依しないものには容赦のない社会となっていった。そこでヒュパティアは自分の信念を貫こうとする。彼女の教え子で彼女を敬愛していたアレクサンドリアの長官はヒュパティアをかばいきれなくなっていく。

観ていていろいろな思いを起こさせる映画でした。決して複雑ではないストーリーですが、いろいろな問題定義が投げかけられます。それは宗教や、人間の愛情、憎悪、信条すべてにです。なにか一つでも確固たる物があるのか。確固たるものが突然違うものに変わるとき、人間を何を信じるのか。

あつかう時代が時代なので、原始的なキリスト教(キュリロス教)の姿、多神教との対立(やがてはこれもゆるやかに融合していきますが)、ユダヤ教との対立。迫害へと変遷が描かれています。非寛容な世界に寛容を求める哲学者のヒュパティアは中立の立場から、異端の立場へと追いやられていきます。彼女のセリフがいたいたしく響きます。

I believe in philosophy」

キュリロス教徒がユダヤ教徒を虐殺するシーンは、ネロ皇帝から他のローマ皇帝キリスト教徒迫害を思い起こしましたし。十字軍の名の下に殺戮が繰り広げられたことも思い起こしました。投石で人を処刑するという概念は最近観たタリバンの投石処刑を思い出しました。キュリロス教の司祭が、女性は学問を教えず、家の中にいるべきで、ヒュパティアは魔女であるというくだりは、前に読んだアフガニスタンの話の中のタリバンの教えを思い出しました。キュリロス教の暴徒達が何世紀もの学問の粋を集めたアレキサンドリア図書館をわずか数時間で破壊するシーンは焚書の原型を見た気がしました。ナチスもやりましたね。あと、美術品ともいえる像をいとも簡単に破壊していくところは、バーミヤン遺跡破壊を彷彿とさせました。この映画いろいろ見てみるとイタリアでは上映禁止になったらしいです。キリスト教の歴史を影の部分から描いているからですね。

この映画では宗教や人間の業や争いもすべて宇宙からのぞいた鳥瞰図として捉えられます。カメラワークははるか空の上からを多用しています。そうやって客観性を保ちつつ、対比としてアップで人間を描いていく。原理主義が歯車が狂えば時代を超えて宗教に関係なく、こうなるのだということを感じました。現代にそれを訴えかけている。ふと、昔1人でふらふらしたことのある、エルサレム嘆きの壁の周辺を思い出しました。裏にはモスク。横にはゴルゴダの丘

私はこの映画から深いPhilanthropismを感じました。(英検1級単語ですなあ。)

レイチェル・ワイズといえば、みなさん「ハムナプトラ」が印象が強いですよね。いっぱいいろんなところで出てますよね。最近では「ナイロビの蜂」ですね。オスカーとってたんですねえ。「スターリングラード」とか「コンスタンティン」でも印象が深いです。好きなのは、「ラブリーボーン」のお母さん役。やっぱり脇役ですね。この映画でも脇役を固めるイケメンたちは個性豊かでした。愛とか肉体とかにしぼらないのが映画を高めてました。

映画が終わってあわてて今度は授業の終わった子供を迎えに車を走らせました。綱渡り~。渋滞で大変でした。現実にもどりました。


今日は古代都市アレクサンドリアへタイムスリップ。映画の技術にも感服です。

やっぱ映画っていいですね~。